崖を昇る

ずいぶん前の話ですが、銭湯で居合わせたおばあちゃんが私の手相を観てくれました。そのとき、

あなたはお金で苦労しないわ、大丈夫よ!


と、太鼓判を押してくれたのですが、、、でも、この数年後、何度かお金の苦労を経験することになるのです。

東日本大震災の年、環境活動で知り合った、О市にギャラリーを持つ女性作家から、「使ってないギャラリーを再開したい。あなたに手伝ってほしい」と頼まれました。


彼女はK市在住なので、ギャラリーを管理する人が欲しかったようです。


貯金もあまりないから、家賃無料はありがたい。しかも自然豊かな環境で仕事も楽しそう!


自然に囲まれた暮らしに憧れてた私は「やります!」と即答し、派遣を辞めてO市のギャラリーの2階に引っ越しました。

ところが引っ越して間もなく、彼女の態度に変化が。


新興宗教に熱心だった彼女は私にマウントを取ったり脅すような言動が増え、近所の子ども達への発言も明らかにおかしい。それに2ヶ月経つのに一向にギャラリーを始める様子もない。

家賃がタダとは言え、収入が全くない状態は心もとなく不信感は増すばかり。

でも子供のお母さんたちはオーナーを信頼し切っていたので、私がおかしいのかな。。。と自分を戒めました。

でも、オーナーと会うたびに言い合いが増え、ついには「あなたには浮かばれない先祖霊が憑いている」「ここで禊をしなさい」などと言うように。

その言葉で簡単に自信を失った私は徐々に鬱っぽくなったのですが、今思えばなぜそんな言葉を受け入れてしまったのか、、、。


なんで引っ越しちゃったんだろう。なんで安易に考えちゃったんだろう。一生ここにいることになったら、どうしよう。。。


後悔とネガティブな考えばかり浮かんでくる。。。そんなとき、友達が泊まりがけで遊びに来てくれました。


ありがたい!救いの神!


そんな気持ちで私が経緯を話すと、「なるべく早く引っ越そう!手伝う!」と励まされて元気を取り戻し、対策を考えました。


そうだ通帳、3冊あるんだ。合計したら幾らになる?全ての通帳残高を合計したら、、、


嬉しいことに、引っ越し費用にギリギリ足りそうな金額でした。


でも、希望が湧いて不動産屋を片っ端から訪ねてみるも、貯金も仕事も保証人もない私に貸してくれるところがありません。


「前の大家さんに相談してみたら、どうでしょう?」と提案され、ダメ元で大家さんに電話し、事情を話しました。すると、

「空いてるわよ?あなたが引っ越してから2ヶ月、まだそのままなの(笑)」


貯金も仕事も保証人もない私を、再入居させてくれた大家さん。理由は14年住んでた中で、私が「一度も滞納がなかった。」ということでした。


アタリマエのことだけど、そんな積み重ねが大家さんか信頼を得たようです。そして私はまた、派遣に戻りました。


これは、スイーツ研究家になるずー-----っと前の話です。


あれから10年、2度引っ越しましたが、あの時のコトは貴重な経験の1つです。諦めてあのままギャラリーに住んでいたらどうなっていたかと思うと、、、


この件で得た教訓は、安易に行動しないこと、諦めないこと

大家さん、その節はご親切にして頂き本当に助かりました、ありがとうございました^^


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